高53回生 淡路島氷菓(CANDY SHOP ICE-UP)
多田 健造(ただけんぞう)

 みなさま、こんにちは。高53回卒業生の多田健造と申します。

 卒業から20年の月日が経った一昨年、生まれ育った淡路市・志筑のまちへ帰ってきました。現在は津名高や津名中、津名港からほど近い、志筑北町内会の路地でアイスキャンディー屋を営んでいます。
 高校卒業後は、社会福祉士の資格取得をめざして進学し、その後『社会福祉協議会』という組織で約15年間、大阪府内に暮らす住民の方々の『ふ』だんの『く』らしの『し』あわせづくりに寄り添って働いてきました。

 そんな私が「淡路島へ帰る」という大きな決断をした後押しとなったものが2つあります。
 1つは津名高校の大先輩である門康彦市長が掲げる『いつかきっと帰りたくなる街づくり』。
 もう1つは溢れんばかりの島愛で地元を盛り上げる同級生・仲間たちの存在です。
 大学進学時から『いつかは淡路島に帰って自分にできることを』という想いを抱いていたこともあって島の様子は常に気にしていましたが、門市長のまちづくりへの想いや行動・発信、淡路市における実践は、島のこれからに大きな可能性を感じさせてくれるものであり、地元で活躍する頼もしい仲間たちの存在は、より一層「自分もここで淡路市のこれからのために力を発揮してみたい!」という気持ちを高めてくれました。

 お店の名前は『ICE-UP(アイスアップ )』。


 愛(ICE)する島をさらに盛り上げて(UP)いきたいという想いと、『SPICE UP(活気を与える・面白みを加えるという意味)』、島で暮らす地域のみなさんの日常に彩りを添え、観光で島を訪れる方々の時間を特別なものしたい。そんな想いが込められています。

 そもそも、これまで福祉の仕事に携わっていた私が「なんでアイスキャンディー屋なん?」と不思議に思われる方は多いと思います。いや、ほとんどの方がなんで?と思いますよね。

 詳しくはまたお会いできた際にお話しさせてもらいますが、簡単にまとめるとこんな感じです↓↓↓
○淡路島は食材の宝庫!牛乳はもちろん、いちご、いちじく、みかん、レモン、淡路島なるとオレンジなどなど、魅力的な素材と生産者さんに溢れている。
○老若男女に親しまれるアイスキャンディーは、淡路島のヒト・モノ・島ソノモノを全国に知ってもらう(魅力を再認識してもらう)ためのツールになる!
○お店が淡路島・淡路市・志筑のまちを訪れてもらうきっかけになることで、自分と同じように帰ってきたくなったり、商売をはじめてみたくなったり、住んでみたくなったり…。空き家や空き地が増え続けるこのまちの景色を蘇らせるきっかけとなることができるかもしれない。
○その先にある『安心して暮らし続けられる毎日』に、地元想いの仲間たちと一緒に寄り添っていきたい。

 そう、すべてのベースは「福祉の心」と「淡路島愛・地元愛」。
 なので、日本一の売り上げを誇るアイスキャンディー屋ではなく、『地域のみなさんといっしょに“これからのまちづくり”を考えられるアイスキャンディー屋』をめざしています。

 この夏、おかげさまでアイスアップも3年目に突入することができました。
 オープン時からお店に通い心強いエールを送ってくださる門市長や髙島玲子前同窓会長、今回の寄稿にお声がけくださり“淡路島なるとオレンジ”農家としてもお世話になっている脇素子さんはじめ、たくさんの先輩方、同級生、後輩たちのおかげで、家族とともに淡路島LIFEを楽しむことができています。

 『自主・誠実・勤勉』の校訓のもと100年を超える歴史を歩んできた全国の津名高校同窓生のチカラと、これからの淡路島の歴史を作っていく新しいチカラが集まれば、きっと私たちが生まれ育ったこの島・このまちは、さらにさらに魅力的なものになっていくはず。

 私たち家族も日々感謝の気持ちを忘れず、この志筑のまちに住み続けるひとりとして、自分たちにしかできない『アイスキャンディーからはじまるまちづくり』を実践していきたいと思います。

 こんな店主が気になった方、オモロいヤツおるなと思ってくださった方は、またぜひふらっとアイスアップにおしゃべりしにきてくださいね。

 これからもたくさんの同窓生の方々とお会いし、つながっていけることを楽しみにしています。この度はこのような貴重な機会を頂戴しありがとうございました。