(見頃 3月中旬~4月上旬 年により少しずれる場合があります。
: 井上 善人 高10回生)

 高10回生の井上善人さんが淡路市(旧一宮町)の自分の畑を水仙の丘にして、丘いっぱいに黄色いラッパ水仙を咲かせています。

 1月30日の午前中に水仙の丘に行ったときには、まだ花は全く咲いていませんでした。それでも、井上さんは畑に出て、元気に、肥やしを施していました。

 現役中は「花の淡路」として、淡路を花の島にしようと住民に呼びかける立場だったのですが、役場勤めを定年になって、自分の畑に水仙を植え始めました。

 灘には黒岩水仙郷がありますが、その花が終わって桜が咲くまでの間の花、ということで黄色いラッパ水仙(3月中旬~4月初旬が見頃)を植えることに決めました。

 一口に球根を植えて畑一面に黄色い水仙を咲かせる、と言っても球根を買って畑の全面に、一気に植えるには多額の費用がかかります。井上さんは、無理はしないで自分で分球させて、徐々に増やしていく方法を選びました。

 それが、今は4,000㎡以上ある畑に、10万本以上の花を咲かせています。

 昨年は、仲間と一緒に東北大震災の被災地に黄色い水仙の株を1,000株持っていき、淡路と東北、地震被災地としての絆の花壇に植え付けてきました。
 今年は淡路より少し遅れた東北の春に、きっと大きな黄色いラッパ水仙が咲いて、みんなの心を明るくしてくれること、と思います。

 最近、開花時期には新聞の取材を受けたり、見学者を受け入れたりとにぎやかになりますが、ここに来るまでには20年以上の歳月が経過しています。
 花が咲かない時期にも、草刈や球根を掘って株分けして植えなおしたり、肥やしをやったり、地道な努力を繰り返しています。にぎやかなのは開花時期の1ヶ月弱、残りの11ヶ月は地道な作用の積み重ねです。

 少し前までは広げることを考えて頑張ってきましたが、最近は広げることよりも維持することの難しさも考えるようになってきています。

 最近、井上さんの周りには、協力してくれる仲間がいますので、皆さんに助けてもらいながら、“”水仙の丘“”と長く付き合い、元気で長生き、ゆったりとした人生を過ごしていきたい、と願っています。

 聞き取り、写真 : 木長 義昌 (高16回生)

(開花した花の写真は、昨年3月12日に撮影したものです。)