高47回生 大歳 久美子

 私が東京芸術大学を卒業して仲間と全国の小中学校を巡業していた約 20 年前、「日本人なのに日本の事を知らなさすぎる。」そう痛感する日々でした。

 未来への危機感と責任を感じて、独自に淡路島の学校を回るようになってからは、日本を知らないに加えて、「ほとんどの子供がくにうみ神話を知らない」という現実に直面しました。人口流出が止まらない淡路島の、将来を担う子供達がこれでいいのかー。

 強い焦燥感を抱いた事が、文化の面から地元に貢献しよう、しなければと思い至った実体験でした。

 以来、邦楽のコンサートや学校公演をしつつ、2012 年の古事記編纂 1300 年に合わせて、新たに神話の楽曲を作り、和楽器の音色と神話を同時に鑑賞できるようにして、老若男女に日本文化と淡路島の素晴らしさを訴えてきました。

 「くにうみ神話を知らない子供をなくしたい!」という思いに駆られて、現在まで様々な形で活動を続けてきました。

 日本音楽界が直面している危機もさることながら、過疎高齢化社会には郷土愛を育む地域学が必要であるとの信念からです。
 ビジネス書には「外国の人と取引をする時に必要なのは、相手の国の事を知るよりも、自分の国について語れる方が重要だ。」と書かれています。自国の文化を語れないのは無知無教養と受け取られ、信用されないからだーと。

 2022年からは毎年新作神楽を制作し、神楽祭や大阪関西万博でも淡路市代表として出演し、「はじまりの島」をPRしてきました。又、絵画作品や動画を手掛け発信しています。
 これからも淡路島らしい活動を軸に、神話と和文化による地域活性化を続けていきますので、応援宜しくお願い致します。