大澤寿人作品のコンサートに行って

 芸術科 樋渡 正衡

  
 9月3日東京サントリーホールで行われた片山杜秀がひらく戦前日本のモダニズムのコンサートに行ってまいりました。
 この演奏会では、津名高校校歌の作曲家である大澤壽人の作品から協奏曲を2曲、交響曲を1曲演奏されました。
 コントラバス協奏曲は、普段なかなか耳にすることがなく、あまりイメージがわきにくかったのですが、和風なようにも感じられる弦楽器特有のグリッサンドなどの特殊技法も多く、曲想が色彩豊かに変化していて、演奏に夢中になり聴くことができました。
 ピアノ協奏曲は、本校100周年記念行事の候補曲でもある「ピアノ協奏曲第3番 神風協奏曲」でした。全3楽章である協奏曲でしたが、各楽章のキャラクターがそれぞれに独立していて、本当に楽しめました。特に第2楽章の抒情的な甘い旋律を聴いた後に、激しくドキドキするほどエネルギッシュな第3楽章のサウンドに終始圧倒されました。第3楽章は空気を貫くような激しい一音で唐突に終わります。心がざわざわするような感覚でしばらく放心状態になったほどでした。
 今回の演奏会を鑑賞したことで、作曲家 大澤壽人の作品の持つエネルギーを感じました。生徒が校歌以外の大澤作品に触れることで、より愛校心が高まるのではないかと思います。とても有意義な経験となりました。