高19回生 柏木 英樹さん  「短歌の歌 津名高時代」

詞 岡内詠菜 曲・歌 柏木英樹


打ち上げる 波のリズムを 計りつつ
ペダル踏み込む 西浦の冬

冬の朝 手足凍えて 漕ぐペダル
志筑の町へ 汗だくで入る

黒板に 恋しいと書き カナシイと
無理に読ませる 恩師の居たり

まだ少し 席を同じく せぬような
空気を残す 田舎でありき


荒ぶ時 飲むから冷やは いかんのと
冷やを擁護の 余談も聞きし

呑む時は 肴も是非と 教わった
田舎高校 体育(たいく)の時間

作曲が 誰かも知らず おおらかに
声張り上げて 校歌歌えり

我が校歌(うた)を 今に遺せし 諸人の
熱き思いの 有り難きかな


懐かしき 文化祭誌に 我が名追い
あらためて知る 薄き存在

各々が 持ち場持ち場で おおいなる
達成感じた 文化祭(まつり)でありき

熱心に 古文教えて 才媛(せんせい)は
平安顔に なりにけるかも

男子(おのこ)ゆえ 多少照れる 民謡を
しっかり教わる 秋のグランド


思い出の 苦手科目の 先生は
何故かいずれも 眉顰(しか)めいる

図書館の レコード鑑賞 延々と
友は目顔で 閉会を急(せ)く

下校時は 瀬戸内西へ 夕間暮れ
落ちる太陽 息詰めて観る

詠みあげた 高校時代を 古希前に
歌を肴に 飲むべし友と
歌を肴に 飲むべし友と
歌を肴に 飲むべし友と