神戸女子大学文学部日本語日本文学科
宇都宮 佑梨(高70回生)

 私は、2022年5月23日から2週間、母校である津名高校で、教育実習生として勉強させていただきました。ここでは、教育実習に向かった経緯やそれまでの大学生活、教育実習中の思い出について書かせていただきたいと思います。

 教育実習をさせていただいた理由は、もちろん教員を目指しているからなのですが、私が教員を目指すきっかけも、ここ津名高校にあります。
 私が高校1年生の頃から、学年主任を担当し、かつ学年の国語科を担当してくださった先生の授業が大変面白く、その方のようになりたいと思い、高校の国語科の教員になりたいと考えるようになりました。私の教育実習期間が2週間であるのも、どうしても「高校」の国語科の教員になりたいというこだわりのためでした。

 私が通っている大学学部学科は教育に特化した教育学部ではなく、一般的な文学部です。そのため、教職課程を取得することはかなり厳しい道であり、悩むことも多々ありました。教職課程だけではなく、一般科目や専門科目の授業も受けなければならないことや、教職課程は卒業認定単位に含まれないことのために、他の生徒より多くの授業を取る必要がありました。
 そのため、教育実習に行くまでに、途中で教職課程の取得を辞退してしまう友人も多くいました。自分が勉強をしている時に、友人は楽しそうに遊んでいる、そのような状況を恨めしく思いながらも、教育実習に必要な単位を全て取得し、教育実習に向かうことになりました。

 教育実習に向かう前には、新たな悩みや不安に苦しみました。上手く授業ができるだろうか、生徒は私のことを先生として受け入れてくれるだろうか、そんな不安な中、母校津名高校に向かいました。教育実習生として向かった母校は、全く違う世界に見え、緊張で震えてしまうほどでした。
 いざ生徒を目の前に授業をしたところ、生徒は、私を先生として受け入れ、真剣に話を聞いてくれました。担当したクラスの子たちは、文化祭の準備に私を招き入れてくれたり、休み時間に授業についての質問をしてくれる子もいました。
 教育実習期間の2週間はあっという間に過ぎ、最後の日は本当に寂しく感じたことを覚えています。

 自分はちゃんと先生になれるのだろうかと不安を抱いた未熟な私を、先生として受け入れてくれた生徒の皆さんや、終始真摯にご指導してくださった先生方、教育実習生として受け入れてくださった校長先生方にはどれだけ感謝をしても足りません。

 長くなってしまいましたが、最後に在校生の皆さんにメッセージを添えさせてください。今、何かに苦しんでいたり悩んでいたりしても、いつか必ず楽しい瞬間がきます。

 また、楽しい学生生活もあっという間に過ぎ、大人になっていきます。今という時間を悔いのないように、精一杯生きて、楽しんで、未来に希望を持って前向きに進んでいってください。

 津名高校の在校生の皆さん、校長先生、教頭先生をはじめとする教員皆様の、ご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。2週間という短い時間ではありましたが、本当にお世話になりました。ありがとうございました。