教育実習を通して学んだこと 

高72回生 長岡 彩寧  
大阪音楽大学 音楽部 音楽科

 教育実習を通し、音楽科の授業づくりと生徒との人間関係の構築は密接に関わっていることを学んだ。授業が円滑に進み生徒が主体的に学習に取り組むためには、教師の指導技術だけでなく生徒との信頼関係が重要であると実感した。それらについてこれから詳しく説明していこうと思う。

 まず音楽以外の授業見学では、生徒が主体的に考え表現できる授業づくりの大切さを学んだ。生徒の発言に対して教師が「なるほど」などの相槌を打ちながら受け止めており、生徒が安心して意見を発表できる雰囲気がつくられていた。また一つの意見だけで授業を進めるのではなく、複数の意見を全体で共有することで生徒同士がさまざまな考え方に触れられるよう工夫されていた。私自身も他者の意見を聞くことで新たな視点に気づき、考えを深めることができたため多様な意見を共有することの重要性を実感した。 

 また実際に指導した歌詞の情景から楽曲の強弱や表現を考える音楽の授業では、生徒が音楽をただ演奏するだけでなく作品の内容を理解しながら表現を工夫していたことが印象に残った。教師の問いかけによって、生徒一人ひとりが自分なりの解釈をもち、主体的に学習へ参加している様子が見られた。この経験から音楽科では知識や技能の習得だけでなく、生徒の思考や感性を引き出すような指導が求められることを学んだ。 

 授業を支える教師の話し方や板書の工夫についても多くの学びがあった。見学した授業では重要な内容を色分けして板書しており、生徒が視覚的に要点を整理できるよう工夫されていた。さらに教師は声の大きさや抑揚を意識して話しており、重要な部分ではゆっくりと強調することで生徒の注意を引いていた。このような工夫は生徒の理解を深めるだけでなく、授業への集中を維持するためにも重要であると感じた。 

 そのため実際に授業を行う中では伝え方の難しさも実感した。説明に集中するあまり声が単調になったり、板書をしながら話してしまったりする場面があったため生徒の方を向いて話すことや、声量・話す速度・抑揚を工夫することの必要性を感じた。一方でリコーダー指導では息の使い方やリズム感といった感覚的な内容を言葉で具体的に説明することができ、生徒が理解しやすい表現を考えることの大切さを学ぶことができた。 

 生徒との人間関係の構築という点では生徒の考えや発言を尊重する姿勢が信頼関係につながることを学んだ。授業見学を通して生徒の発言を丁寧に受け止め、否定することなく授業へ生かしていく教師の姿を数多く見ることができた。そのような関わり方によって生徒は安心して発言し、自分の考えを表現できるようになっていた。生徒との良好な人間関係は日常的なコミュニケーションだけでなく、授業中の何気ない声かけや反応の積み重ねによって形成されるものであると感じた。 

 また生徒が主体的に活動するためには、安心して挑戦できる環境づくりが欠かせないことも学んだ。教師が生徒の意見を受け止め多様な考え方を認めることで、生徒同士も互いの意見を尊重できるようになる。その結果授業全体が活発になり、生徒の学びも深まっていくことを実感した。

 これらのことから今回の教育実習を通し、音楽科の授業づくりにおいて生徒の思考や表現を引き出す指導方法、生徒との信頼関係の構築がともに重要であることを学んだ。今後は生徒一人ひとりの考えを大切にしながら分かりやすく伝える力を高めるとともに、生徒が安心して学びに取り組める関係づくりを意識しより良い授業実践につなげていきたい。                  

高74回生 松尾 美音   
大阪音楽大学 音楽部 音楽科

 教育実習の3週間は、私にとってあっという間で、とても充実した時間になりました。

 実習が始まる前は不安でいっぱいでした。しかし、実際に教壇に立つと、授業の難しさだけでなく、生徒の皆さんと関わることの楽しさや、先生という仕事のやりがいをたくさん感じることができました。

 特に印象に残っているのは、生徒の皆さんの存在です。授業で真剣に歌唱に取り組んでくれたり、休み時間に気軽に話しかけたりしてくれたことが、とても嬉しかったです。

 また、放課後には、授業で扱った歌をイタリア語で楽しそうに歌っている姿を見ることができ、その歌声に何度も元気をもらいました。音楽を心から楽しんでいる姿を近くで見ることができたことは、私にとって忘れられない思い出です。一人一人の個性や考え方に触れる中で、生徒を理解し、寄り添うことの大切さを学びました。

 今回の実習では、授業が思うように進まなかったり、自分の力不足を感じたりする場面もたくさんありました。しかし、そのたびに先生方から温かいご指導をいただき、多くのことを学ことができました。失敗や反省も含めて、私にとって大きく成長できた3週間だったと思います。

また、母校で教育実習をさせていただいたことで、自分が高校生だった頃を思い出しました。当時は当たり前だと思っていた先生方の支えや学校生活の大切さに、改めて気づくことができました。

 残りの学生生活では、教育実習で見つけた課題と向き合い、もっと勉強を重ねていきたいと思っています。そして、将来は生徒一人一人に寄り添い、安心して学校生活を送れるよう支えられる教師になりたいです。

 在学生の皆さんには、高校生活を思い切り楽しんでほしいと思います。友達と過ごす時間や学校行事、何気ない毎日は、後から振り返るとかけがえのない思い出になります。今しかできないことにたくさん挑戦し、1日1日を大切に過ごしてください。

 私も今回の教育実習で学んだことを忘れず、これからも夢に向かって努力を続けていきたいと思います。

 最後になりましたが、温かく迎え入れてくださった先生方、生徒の皆さん、本当にありがとうございました。
 母校で過ごしたこの3週間は、私にとって一生の宝物です。